【白金こどものはいしゃさん】エピソード
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【白金こどものはいしゃさん】白金こどものはいしゃさんを創ろうと思ったエピソード
「どこの歯医者さんも見てくれないんです!」
「他のクリニックで、泣いて暴れて・・・、もううちでは無理です。他に行ってくださいと言われ・・・実は・・・もうこれで4件目なんです・・・。」
「そんなうちの子でも診ていただけますでしょうか?」
最初のママからの電話は、本当にすがるような声でした。どうやら、歯科恐怖症の3才の息子さんに虫歯が数本あるということらしいです。

というか、初めての歯医者さんでの虫歯治療で、無理やり押さえつけられ、削られた・・・。当然こどもは泣き、暴れる。
そこの先生は怒りながら、「こんなんじゃ、治療にならない!これ以上はうちでは無理だから、他に行って!」また、近くの歯科医院を探し、不安を抱え初診。こどもはすでにトラウマ(歯科恐怖症)になっており、はじめから怯えている。そして、無理やり抑え込まれ・・・(繰り返し)

このパターンで、当院が4件目だということなのです。

初診の日もお母様とボクちゃんは恐る恐るいらっしゃいました。
「あのぉ、電話で予約した●●です。この子、歯医者では本当に暴れて泣いて皆さんにご迷惑を掛けてしまうと思うんです。普段はとっても良い子なんです。本当なんです。どうか、よろしくお願いします。」
必死で訴えるお母様を見て、「きっと何度もうちでは見れないって言われて、ここでもそうなるんじゃないかって心配されているんだろう・・。」と感じました。

「●●君、こんにちは。よく来てくれたね。ところで●●君は、今歯が痛いのかな?」
「痛くない・・・。」

どうやら、本人は痛みを感じていないようです。
お母様に確認を取っても、普段痛がるような素振りはないとのことでした。

当院では緊急性がなく、歯医者さんに恐怖心を持っているお子様に対しては、いきなり削るということはしません。
まずは、衛生士と仲良くなって、自分からチェアにゴロンして、お口を開けてくれるように、関わってもらいます。やはり、初めての場所と初めての人には、普通安心できませんよね。

はじめは、緊張していた●●君も大好きなレンジャーのお話などをしながら、だんだん笑顔になっていき、最後にはチェアの上で衛生士がハミガキをするところまでできるようになりました。そんな姿を横で見ていたお母様の目には涙・・・。

「虫歯は確かにいくつかあったけど、まずは、この歯医者さんに慣れるまで練習しながら、行きましょう。●●君は必ずできるようになるから大丈夫ですよ。」

こどもに虫歯を作ってしまったと責任を感じ、歯医者に連れていくが、無理やり泣き叫びながらされている姿を見るのもつらかった。
「大丈夫ですよ。」という言葉が一番必要だったのかもしれません。

ライン

●●君はそれから、何回かお姉さんと練習を重ねて、歯医者さんに来るのが嫌でなくなりました。

そして、今では自分からチェアに座り、大きなお口を開けて、マスイもして、虫歯退治をやっています。全く、泣いたり、暴れたりせずに・・・、最後は本当に楽しそうに笑顔でバイバイして帰ってくれます。
私は、初めのお母さんの涙と現在の●●君の笑顔がとても印象的です。きっと、他にも同じような悩みを一人で抱えているお母様はいるだろう・・・。

こどもの頃に無理やり押さえつけられて治療をされたら、絶対歯医者を好きになるはずがない。それでは、予防のために定期的に歯科医院に通おうなんて気にはなれない。
こどもの頃から楽しく歯医者さんに通いながら、歯の予防をする習慣が自然にできればこんなに良いことはない!

そんな思いで、「白金こどものはいしゃさん」を創ろうと思いました。

最後に、●●君のお母様から頂戴したメールを載せます。
こんばんは ●●●です。 初診4月3日から、今日までの半年間、本当にクリニックの皆様には、●●を暖かく見守っていただき、どのような言葉で感謝の気持ちをお伝えすればいいか分からないくらいです。 虫歯治療を終えられましたこと、心より感謝申し上げます。 数カ所のクリニックを経て、ようやく「白金こどものはいしゃさん」を見つけ、すがるような思いで初診のお願いをしたことは今でも鮮明に思い出されます。衛生士さんを何度も何度も困らせて・・・ それでも、いやな顔一つせず、暖かい言葉をかけていただきました。 お誕生日のお心遣いやデンタルノートの表紙をレンジャーで飾っていただいたこと、どれも本当に有り難かったです。 治療に入ってからは、先生方にも本当に気長に、暖かく治療に当たっていただき、今日を迎えることができました。 本当に有り難うございました。これからも、よろしくお願いします。 簡単ですが、御礼のご挨拶まで。